スポーツには、競技者の人間性を育み、人生を成功に導く能力を身に着けさせてくれる力がある。
私は実体験を通して、このスポーツの力を心の底から信じている。
ある少年K君は、幼少期から勉強、スポーツの両面において秀でた才能を持っていた。
小学生の時は、大した努力もしないのに何をやっても1番。
自分は特別だと勘違いし、傲慢でわがまま。実に嫌な奴だった。
中学・高校と進学校に進んだが、自分は賢いから受験の前に本気でやれば大丈夫と、たかをくくり遊びたい放題。
遊びと言っても、サッカーよりも面白いものはなく、部活に熱中していたのでかわいいものだったが。進学校の部活なのでたいして強くはなかったけどそこでも一応エース。
大学受験は、高校3年生の夏からやれば何とかなるだろうと思っていたが、予想していたより勉強量が必要だということが始めてみてようやく分かり、早々に一浪することを決める。自分がバカな大学に行くなんてことは毛頭なかったから。
そこまで、全く勉強していないのだから、目測を誤るのも当然。
そして一浪後、志望校に合格。合格できることは分かっていたので、最小限の力で乗り切るということばかりを考えていたようだ。
そこまで大した努力をしないけれどもそれなりに願望は叶う人生。
あのまま行っていたら、K君は人生をなめ切って、どこかで躓いていたかも知れないとも思う。
K君を変えるきっかけは、あるスポーツとの出会い。アメリカンフットボールだった。
日本ではマイナースポーツで大学から始める人も多く、頑張れば日本一になれるかも知れないという勧誘に魅力を感じた。
運動能力に自信のある自分なら、なれるかも知れないと。
だが、当然現実はそんなに甘くない。
環境は大学トップリーグの名門校。本気で日本一を目指すチーム。地獄のような反復練習に古い体育会の慣習。
つらくて、苦しくて。同じように大学から始めた同期は、みるみるうちに減っていく。
別に競技自体が好きな訳でもない、生半可な気持ちでスタートしたK君もすぐに挫けてしまう。何度も逃げ出した。
それでも、結局最後までやり遂げられたのは、自分を変えたかったからなんだと思う。
大学4年生になり腹が据わった。ここまで来たんだから、本気で日本一になってやると。
生活の全てを夢のために捧げた。人生で初めての努力だったかもしれない。
本気になると見えるものがある。それまでの練習で点として身に着けてきたものが、全て線でつながっていく。
アッというまに大学トッププレイヤーの域に入った。学生選抜に選ばれ、自分はこの中でもやれると自信を得た。
エースとして臨んだ大学の最終シーズン。
チームとしては、日本一にはなれなかったが、個人としては想像以上のパフォーマンスを発揮することができた。
その年の学生NO1の個人記録も残した。正直、あの年代でトップ選手だったと自負している。
でも、スポーツを通して得たものは、そんな単なる称号ではない。
夢に向かってとことん努力する力。自分を成長させるための方法論。自分を支えてくれる人への感謝と礼儀。
これらは、スポーツの範囲を超え、人生の何事にも対応できる万有の法則となる。
それらを身に着けたK君のそこからの人生は、輝かしいばかり。
自分には高嶺の花とも言える企業に入社。優秀な同期・同僚に囲まれ驚愕したが、スポーツで身につけた努力する力で必死にくらいついた。
学生時代は勉強が嫌いだったくせに、志願して大学院に入り直しMBAを取得したのもその一環。
徐々に仕事ぶりを認められ、大きな仕事を経験させてもらうようになり、30代半ばには、国のある機関に出向し、日本のど真ん中で仕事をやらせてもらった。
ビジネスという世界で、出来すぎとも思うような自己実現を果たしてきている。
そして、少年K君は最愛の人に出会い4人の可愛い子供達に囲まれる幸せな日々を、ブログに綴るようになった。
全ては、あの大学4年間。アメリカンフットボールというスポーツを通して自分と向き合った時間のおかげだと思っている。
いいものは持っているが、心の成長が求められる次男sail(6歳)の存在は、このスポーツを通して身に着けられる力を子供達に引き継いでいけと言われているような気がしてならない。
私の一生の仕事として、取り組んでみようかと思っている。但し、年端のいかない少年にどう伝えていけばいいか、感じてもらったらよいかの「答え」はまだ持ち合わせていないのですが。
(次男sail(6歳)の様子は、過去のブログをご覧ください)
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【教訓79】
・スポーツには、競技者の人間性を育み、人生を成功に導く能力を身に着けさせてくれる力がある。
・夢に向かってとことん努力する力。自分を成長させるための方法論。自分を支えてくれる人への感謝と礼儀。これらは、スポーツの範囲を超え、人生の何事にも対応できる万有の法則となる。