とびきり体が小さく足も早くない、サッカー選手としては間違いなく身体的に恵まれていない長男say(5年生・早生まれの10歳)ですが、それならばと基礎技術の習得にこだわってやってきた成果もあり、サッカーでは所属する少年団のエース、フットサルチームでも1カテゴリー上でレギュラーを任されるなど、これまでそれなりに充実したサッカーライフを過ごしてきました。
(基礎技術の習得については、過去の記事をご覧ください)
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それが、今年の春は、親の目から観ても可哀想なくらい苦しい時期を体験していました。
(1)トレセン落選
まずはトレセンの落選。
小学5年生になるとすぐに市内トレセンの選考がスタートし、1次、2次、3次と続く選考会にチャレンジしました。
ミニゲーム主体の選考だった1次選考(約150名→120名)、2次選考(約120名→70名)は難なく突破。同組のちゃんとサッカーが出来る子2、3人と連動しながら躍動したプレーを見せ得点をバンバン取っていました。このレベルなら、サッカーのスキル、インテリジェンスの面でかなり上の方にいるんだなと再確認できた機会でした。
一方、最終の3次選考(約70名→30名)では、フルコートのゲームの中で相対的に大きなインパクトを残せず、残念ながら落選となってしまいました。
みんな自分のアピールが優先となりますので、どうしてもドリブル主体となり、なかなかボールがやってきません。特に広いコートでフィジカル頼りの個人勝負を繰り返しますので、こんな時に目立てる子は、スピードのあるドリブラーか、フィジカルの強いディフェンダー。
そのようなタイプではない(フットサル仕込みのスキルと判断力で味方と連携しながら細かい局面を打開していくことが得意な)長男sayにとっては部の悪い戦いにならざるを得ません。
本人の中では、落選の結果を聞いても俺の方がサッカーは上手いのに・・・という納得できない気持ちはあったようですが、私から見れば、このような場面でも、個の力で目立てる力がまだ足りていないという点で、致し方なしとの感覚。
個の力だけでも目立てるスピードやフィジカルの大切さを一層痛感した苦い体験となりました。
(とは言っても、すぐにはどうにもならないのですが。。。)
(2)レギュラーを外される
また、トレセンの最終選考会と時を同じくして行われたフットサルの最大規模の大会(バーモントカップ)でも辛酸を舐める結果となりました。
これまで年下で唯一レギュラーの座を確保していたのですが、プレーに精彩を欠いてしまい、予選大会の直前でレギュラー落ち。チームも低調な出来で、まさかの予選敗退をしてしまいました。
ポジションを奪われた相手は、先に成長期に突入しフィジカルの差が更に際立ってきた同級生。これまで自分よりもスキルが劣ると思っていた相手に負ける経験は相当なショックとなったようです。
(高学年くらいになると成長期の差で一気に序列が変わることがあるということを実感しました)
そこから、自信を喪失してしまい、更にプレーが悪くなる悪循環。
気持ちが完全にヒヨってしまい、失敗すること(コーチに怒られること)を怖がるあまり消極的なプレーばかりとなり、試合中に声も出ないありさま。最終的には、あまりに不甲斐ない様子に、年下のメンバーよりも序列を下げられ、試合遠征のメンバーからも外されるところまでいってしまいました。
「不調、スランプとはこういうことを言うんだな」と思うくらい、悪い状態が続く長いトンネルに入ってしまいました。
(3)評価が一変
復調のきっかけは、この試合がダメならフットサルチームをやめてやるというくらいの決死の覚悟を持って臨んだ7月末のカップ戦。
ライバルが不在の日で、久々にスタメンで使ってもらえたチャンスでした。
緊張が解けない試合開始早々、相手ゴールキーパーの足元の処理がおぼつかないところを見逃さず、長男sayが一気に詰める。クリアボールを体に当てそのままゴール。やっぱりサッカーの神様っているんじゃないかと思うくらい、もがき苦しんだ子に与えてくれた幸運のプレゼントでした。この1点で気持ちが一気に乗り、一試合を通して久々に溌剌としたプレーを見せてくれました。そして見事勝利。
その後も、コーチが長男sayの復調の兆しを見逃さず、試合で使ってくれました。
この日は、試合に臨む気持ちの量が違いました。鬼気迫る様子でボールを追いかけ回し、チームに勢いを与える。そうなるといい流れが舞い込み、勝利が積み重なる。
格上相手にも勢いで上回り勝利するなど、あれよあれよと言う間に決勝まで駆け登りました。
決勝戦はその日5試合目となり疲れていた筈ですが、私が観てきた中でのベストパフォーマンスを発揮。5−1の快勝に貢献しました。
そして何より嬉しかったのが、試合の大勢が決まり控えメンバーを試合を出すために長男sayをベンチに下げた後のこと。長男sayがコートからいなくなるとリズムが悪くなり防戦一報に。すると試合に出ているチームの中心メンバー達が「sayを出して!sayを出して!」とコーチに懇願。離れた観客席にいた私にも聞こえるくらいの大声で。
「あぁ、今日1日で信頼を取り戻したんだなぁ」と目頭が熱くなりました。
その日を境に自信を取り戻すと共に、コーチの評価も一変。もう一度横一線のレギュラー争いに返り咲けたようです。
こういう辛い経験を乗り越えてこそ大きく成長するもの。上手くいかない時こそ自分と向き合いながらメンタルを鍛えていく。また、1つアスリートとして大切なものを手に入れてくれたと誇りに感じています。
長男say、これからも同じように辛い時期は必ずきます。それでも、今回の経験で少しは耐性がついた筈だし、乗り越え方のヒントも掴んだはず。
1つ1つ乗り越えながら、私も想像のつかない世界まで突き抜けていって下さいね。
【教訓59】
- トレセン(セレクション)は、自分のアピールが優先され、ドリブル 主体のゲームになりがち。そのような場面でも、個の力で目立てるくらいの力がないと、確実な合格は見込めない。
- スピードやフィジカルはサッカー選手として大切な要素。スキルやインテリジェンスとともに鍛えていく必要あり。
- 高学年になると成長期の差で一気に序列が変わることがある。
- 決死の覚悟を持って試合に挑むことができれば、びっくりするようなパフォーマンスを発揮できる。
- 辛い経験を乗り越えてこそ大きく成長するもの。自分と向き合いながらメンタルを鍛えていくチャンスと捉える。